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ORSat 20.09.18

チームコーチの重要性をティール組織の事例から紐解く 

ティール組織に至る時代の文脈

嘉村:それでは、わたしの方から、ティール組織に関してチームコーチにフォーカスを当ててお話したいと思います。ティール組織を提唱したのは、元マッキンゼーのコンサルタントだった米国在住のベルギー人、フレデリック・ラルーです。経営者も従業員も幸せを感じられない今の組織のあり方や、企業の目的が成長や生存に暴走していることに疑問を抱いた彼は、世界中の組織の探求の旅をはじめました。その中で、組織、教育、行政、農業、医療など、様々な分野で新しい時代が生まれはじめているという、大きな時代の文脈の流れを見出していきます。

フレデリック・ラルーは、歴史を俯瞰的に見ると、社会は大きく3段階のジャンプをしており、今世界は3つめのフェーズに入りつつあると言っています。

1番目のジャンプは狩猟採集時代から農耕社会へのジャンプです。この時代の世界観は、「自然は人がコントロールできる」というもので、人が人という自然をコントロールして、組織というものをつくりはじめます。

2番目のジャンプは、産業革命・情報革命の時代になって、組織と組織が出会い、国と国が出会って競争が高まっていく時代になります。この時代の世界観は、「ものさしで測ることによって、分析してさらなる成長をつくりだす」というパラダイムです。教育にはテストと偏差値が導入され、企業ではKPIを設定して評価するなど、生産性を高めていった時代になります。

それでは、3番目の新しい時代の息吹とは何か?

たとえば農業では、従来は同じ種類の作物の畑をつくり、肥料と農薬を投下して一斉に収穫していたのが、最近だと「栄養を固定しやすい野菜」、「場を殺菌する野菜」、「虫を寄せ付けない野菜」などをまぜこぜに植えることで、農薬や肥料がなくても栄養価の高い野菜が採れるという自然農法やパーマカルチャーみたいなものが出てきました。

医療の分野でいうと、2番目のパラダイムでは、患者の患部を分析してこの病状にはこの薬を投与するとやってきたのが、「病気というのは生活リズムや環境など、様々な要因が組み合わさって表出したもの」なので、患者の全体を診て導かないと本質的な治療にならないというホリスティック医療みたいなものが注目されはじめました。

今の先端的な教育では、学年もまぜこぜで、カリキュラムも子どもたちが自分で目標設定して自由に選べるというような自発性の高い学びが現れています。

このように、立ち上がりつつある新しい世界では、まぜこぜとか全体とかシステムに意識が向き、子どもや野菜などの一つひとつの要素が本来のエネルギーを全開できるようにするという、生命体や生態系のような仕組みが色々な分野で生まれはじめている。

フレデリックは、組織にも生態系や生命体のようなものがあるのではないかという仮説を立てて、世界中の組織を研究してまわったわけです。すると実際に、今までの2番目の時代の常識とは全く違うマネジメントを行っている組織が世界中に見つかり、しかもとても幸せそうに働いている。本当にお客さんを喜ばせているし、Google以上の高給与を払っている組織もある。そんなことに驚いた彼は、これらの新しい組織のあり方を「ティール組織」と名付けたというわけです。

そこに横たわっているパラダイムとは、従来だと「タフネス:いかに安定して強固にビジネスをつくっていくか」ということだったものが、今の先の読めない変化の激しい時代で求められるのは、「レジリエンス:しなやかに回復していく力」かもしれないし、困難・混沌を力に変える「アンチフラジャイル」的な組織かもしれないということです。

  • 島崎 湖

    • 島崎 湖
    • CRR Global Japan合同会社トレーナー
    • ORSCC, PCC, CPCC

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    1990年女子栄養短期大学部卒業。玩具メーカーの株式会社タカラ(現:株式会社タカラトミー)に入社。採用・研修を中心とした人事業務全般及び人事制度改革に従事。2002年家族の転勤都合で退職。その後、コーチ養成機関であるCTIジャパンにて勤務。その間、CPCCを取得及び米国にてリーダーシッププログラムを修了。
    2004年より「人は必ず持って生まれた使命=その人本来のリーダーシップがある」ことを信じ、プロコーチとして独立。エグゼクティブからビジネスマン、主婦の方、オリンピック選手など様々な方に向けてコーチングを実施。
    2010年、ORSCCを取得し、組織の関係性にフォーカスをあてたコーチングを企業やNPO、地域のコミュニティ等に対して本格的に開始。個人・組織・社会をつなぎ、生命体としての「システム」の目線を育てることからの組織/コミュニティ開発を展開中。東日本大震災以降、新しい時代への橋渡し役を意識し、「システムコーチ」という役割にこだわりながら東北支援も継続中。
    2006年PCC取得。アイ・エス・エル(ISL) コーチングファカルティ
  • 原田直和

    • 原田 直和
    • CRR Global Japan合同会社トレーナー
    • ORSCC, PCC, CPCC,TLCP

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    1975年山口県宇部市生まれ。
    大学卒業後、外資系製薬会社にて15年間、営業の現場から日本の営業戦略企画、組織開発担当を従事。様々な営業組織の経験を通じて、チームメンバーや組織内の関係性が業績・成果に影響を与えること実感する。
    その経験をもとに2014年に「誰もが自由にイキイキと生きれる持続可能な社会・会社の組織創り」をテーマに現在のHeart of the Earth株式会社を設立。
    システムコーチとして大手企業からベンチャー、中小企業、行政/NPO、病院など様々な形態の組織風土改善プロジェクトや次世代リーダー育成プログラムなど組織開発サポートを手がける。また、経営者や医師など組織のリーダーに対する1on1のコーチングを提供している。その他に、大学生向けビジネスインターンシップ「海外ビジネス武者修行プログラム」のファシリテーターとして、次世代リーダーの育成にも力を入れている。
    CRR Global Japanの創設に関わり、現在は社内の経営(主にマーケティング・法人)部門を担っている。

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