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ORSat 22.02.01

【前編】業界のパイオニアから見る、コーチング業界の変化

業界のパイオニアから見る、コーチング業界の変化

国内最大級のコーチングカンファレンスCoaching Transformation 2021 
~コーチングはどこから来て、今どこにいて、これからどこへ向かうのか?~

【前編】業界のパイオニアから見る、コーチング業界の変化(※現在この記事を読んでいます)
【中編】コーチングはこれからどこへ向かうのか?
【後編】コーチングのバトンを未来へ

昨年末、ORSCC(Organization & Relationship Systems Certified Coach)の櫻本真理さんが日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2022」で心の揺らぎサポート賞を受賞されました。

櫻本さんは、株式会社コーチェットの代表取締役CEOを務めていらっしゃいます。先日公開した櫻本さんのインタビューの中で、コーチェットが昨春(2021年4月10日)主催された国内最大級のコーチングカンファレンス“Coaching Transformation 2021”についてお聞きしました。

インタビューを読んだ方から「コーチングカンファレンスでは、どのような話がされたのか知りたい」という声をいただき、冒頭に行われたセッション「業界のパイオニアから見る、コーチング業界の変化」をご紹介することにしました。

このセッションに登壇されたのは、パーソナルコーチの育成をし、昨年創業20周年を迎えた銀座コーチングスクール代表の森英樹さん、「コーチングを社会の共通言語に」を理念に掲げ活動している国際コーチング連盟(ICF)日本支部・理事長の紫藤由美子さん、そして弊社の共同代表である森川有理の3名。モデレーターは櫻本さんです。

左から:櫻本真理さん、森川有理、森英樹さん、紫藤由美子さん

(*)プロフィールの詳細はこちらをご参照ください https://coached.jp/ct2021

日本のコーチング業界はどのように変化してきたのか、また、コーチングのパイオニアたちはここからどんな世界になっていくことを願っているのか――などについて【前編】【中編】【後編】にわけてご紹介します。

【前編】業界のパイオニアから見る、コーチング業界の変化

グローバルリーダーを育てるにはコーチング

――まずは、登壇者の皆さんがどのようなキャリアを辿っている中で、コーチング業界にはどんな変化が起こってきたのかという問いからスタート。森川から話し始めました。

森川:コーチングに出会ったのは2002年。当時はシンクタンクの研究員をしていました。グローバルリーダーをどう育てていくのか、どういう方法があるのだろうと思い、当時アメリカのリーダーシップ育成の最先端だったGEのクロトンビルへ調査に行きました。その時にインタビューした10人以上の人たち全員から『コーチングをやった方が良い』と言われて。すぐに調べて、CTIジャパンのコーアクティブ・コーチングを学びました。人がどう生きられるのかという生き方やコーチという職業のあり方、そういうものの可能性を強く感じて、気づいたら飛び込んでいました。

社会の一つの大事なメソドロジーとして定着

森川:コーチングは、最初は自分がより良く生きるためにというパーソナルコーチングの文脈が強かったと思います。それが徐々に組織内のリーダー育成、自分自身で起業してオーソドックスな階段を上っていくような生き方とは違う人生を求める人たちと共鳴して広がっていきました。2011年の東日本大震災は大きなきっかけだったと思います。そのあたりから人がより良く生きるために、社会の未来を創るために、より幸せな社会に変えていくために自分はどのように貢献できるのだろうかと、『生きる意味』に焦点が当たっていきました。2010年ごろからコーチングが、社会変容の一つの大事なメソドロジーとして定着していった。そんな印象を持っています。

――続いて、話し手は森さんへ。元々コンサルタントをしていた時に、コーチングの概念を知ったといいます。

指示・命令から傾聴・質問へという衝撃的なパラダイムシフト

森さん:二十数年前にコーチングを知った時、日本でコーチングを教えていたのは外資系で、輸入プログラムでした。そこから日本発のコーチングのプログラムを作って、広めていきたいと思い、スクールを立ち上げました。当時2000年頃のコーチングの日本への紹介のされ方は、マネジメントのスキル、管理職の必須スキルだと。指示・命令ではなくて、傾聴・質問。目から鱗というか、衝撃的なパラダイムシフトだったんですよね。そこからコーチング業界は、着実に伸びてはいるんだけれども、わりとぬくぬくとやってきました。

最近で言えば、すごくコーチングを受けたい人が増えてきました。僕らの時は管理職として「学びたい」という人が多かったけれども、今は「受けたい」ブーム。業界としては、非常に良い流れだと思うんですよね。学習塾にしても英会話にしても、みんなマンツーマンでやっているところが伸びています。今は1on1。小さい頃から個別指導塾に行っていて、マンツーマンで指導されるのが当たり前で、それが心地良いという人たちが今、コーチングを受けるという話になっているのかなと思います。

――話し手は紫藤さんに。25歳で単身渡米した紫藤さんはニューヨークで仕事をする中で、コーチングに出会ったといいます。

言葉一つで、意識や概念や行動が変わるという体験

紫藤さん:経営者や経営層の方たちと仕事をしていく中で、グローバルの視点のリーダーが日本にも絶対に必要だという感覚を持ちました。その時にコーチングに出会い、言葉の与え方、その言葉一つで、意識や概念や行動が本当に変わるという体験をしました。

その後、2010年から国際コーチング連盟(ICF)に関わり、2017年から代表をしています。ICFの会員数をみると、20年前の2001年に4691名だった会員数は、10年前の2011年には1万9127名、そして今年2021年4月現在で153か国にわたって4万5336名になっています。それだけコーチングの効果が知られて、コーチという職業が認められてきているという結果に他ならないと思っています。

多様性の世界、個が活躍する時代になり、コーチングが知られるように

紫藤さん:2005年、2006年あたりからすごく潮目が変わってきていると思います。それまでは不景気の時代。不満が蔓延するとカリスマ的リーダーが出てくるんですよ。その時はトップダウンのマネジメントが主流でした。それが変わってきたのが2005年前後です。

そこから多様性の世界になり、個が活躍する時代になっていくと、リーダーとして求められてくるのが、いわゆるサーバントタイプ。周りを巻き込んでいくようなリーダーが必要となってきます。そうした時代の流れと共に、コーチングやコーチングの効果が知られるようになったと思います。今おこなわれている1on1には、コーチングが必ずそのプロセスの中に入るので、そういった意味では組織の中、マネジメントの中にコーチングがしっかり根付いてきている、知られるようになったと、そんな流れを感じています。

――【中編】では、こうした変化を受け、「ここからどんな風に変わっていくのか」を考える上で、コーチング業界に参入された時に感じていたことと、その時描いていた未来との違いがヒントになるのでは? という問いを掘り下げていきます。

(ORSCCのライター:大八木智子)

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