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ORSat 22.05.19

3人の関係性の中にあった「遠慮」がなくなった〈後編〉/横河電機株式会社

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システムコーチングのセッションを通じて、チームの中の様々な課題に自覚的になった横河電機株式会社 エクスペリエンスデザイン部のマネージャーチームの髙野直人さん、古谷利器さん、伊原木正裕さんの3人。ここから「マネージャーチーム」システムが大きく変容していきます。

前編 :システムコーチングを通じて「チーム」という概念になった>>
中編:この部の問題の縮図が「3人の関係性」の中にあることが明らかに>>

【後編】3人の関係性の中にあった「遠慮」がなくなった

自分では気づかなかった「ジョハリの窓」を体感

――月1回ペースで4回システムコーチングを受けられたとのことですが、どのような気づきや変化、変容がありましたか?

古谷さん:まず、第1回目のコーチングで、私は辛口なコメントを普通に言っていることがわかりました。これは自分では気づいていなかったことで、いわゆる「ジョハリの窓」(=表参照)というのを体感しました。

【資料】ジョセフ・ルフト氏とハリー・インガム氏が発表した「対人関係における気づきのグラフモデル」を引用・加筆

髙野さん:私は外からは“相当遠慮している人”に見えているのだと思いました。自分自身を引っ込み思案で、心を開かない性格だと思っているのですが、この時に、自分が変わっていかなければいけないというプレッシャーみたいなものをすごく感じました

伊原木さん:私は、この3人のシステムの「役割が明確ではない」ことがよくわかりました。村松コーチが、「お互いの個は尊重し合っているし、それぞれのプロフェッショナリティを尊重しているけれども、『3人がチームでないこと』が周りにも結構インパクトを起こしている。誰に何を聞けば良いのか、どこに相談すれば良いのかわからないということが起きている」と話していましたが、まさにその通りだと思いました。

「マネージャーチーム」から「ブースターチーム」へ

村松:第2回目のコーチングでは、最初の「チェックイン」で髙野さんが「もっと遠慮しなくて良いんだ」「弱さを見せても良いんだ」といった、距離を縮めたい意思が感じられる一言を言われていたのが印象的でした。

伊原木さん:私はエキスパートとして、この分野を次に誰に繋ぐかはいろいろと考えているのですが、「この3人のシステムをどんな形でどう繋いでいくのか」ということは初めて問われました。次にどうするか、これまで考えていなかったことに気づきました。

古谷さん:私は3人で話して、「次世代のことも考えなければいけない」と改めて認識しました。

――そこからどんな変化が生まれたのですか?

髙野さん:私もこの3人のシステムが将来にわたって続くことはないと認識し、この頃から、他のメンバーも入れてマネジメントのミーティングを進めていく必要があると思い始めました。私たち3人は自分たちのことを「マネージャーチーム」と呼んでいたのですが、その後「ステアリングチーム」という名前をつけました。しかし、ステアリングという言葉は、コントロールの意味が強すぎるので、「ブースターチーム」と名前を変えました。

ロケットの加速装置の「ブースター」をイメージして、あるところからあるところへ向かっていく時に、ただ単に加速するのではなく、引力を引き離して、次のところへ向かっていくというメタファー(隠喩)を使って名付けました。その引力を振り切るためには何ができるか、どういったサポートができのるか。そういったことを組織全体に対して支援をしていくようなチームになろうと立ち上げ直しました

ここから、新たに2人のメンバーを入れてミーティングをすることになりました。部署内では中堅という位置づけにあたる人たちです。彼らが入ったことで、新しい視点やこれまで出なかった角度での意見が出たり、「現場からの意見」も聞かれたりするようになりました。

「嫌なら嫌と言ってくれるだろう」という安心感が生まれていた

伊原木さん:3回目のコーチングでは「エクスペリエンスデザイン部の未来」について話しました。その時に、部の意見がどうというよりも、「言いたい放題言うのはやっぱり俺」みたいな気づきがありました。

システムコーチングが3回目になっていたので、「言っても許されるんじゃないか」というのがかえって加速していて、「嫌なら嫌と言ってくれるだろう」という安心感が生まれていました気を遣い合っていたことが割と早い段階で表に出されたので。それを全員が認識している状態になったのが一つの変化だと思います。

髙野さん:対話によって、エクスペリエンスデザイン部の中にはいろんな声があることを知れたのですが、それぞれの立場からすれば、そこは“正論”なんですよね。それに対して自分が答えようとした時に、説得しようとしているとか、コントロールしようとしているとか、そういう風に受け取られることもあるんだと。自分たちがどういう発信をしているか、対応をしているかによって、相手からの印象や相手の捉え方が変わってくるという、すごく視野が広がった体験をしました。

Demography Change

古谷さん:この時はワークの中で結構責められる役をしていたこともあって、後から考えると、自分を守ろうと境界を引いてしまっていたのだなと気づきました。そこから、人に対して「壁ができている」とか「境界を作っている」と言っているけれども、自分自身は本当にないのかどうか振り返る機会になりました

大きな変化は「チーム」という概念になったこと

村松:4回目のコーチングでは、「他の部署と比べて結果が見えにくいのがすごい弱みで、認知されにくい」、と同時に「自由であることがある意味許可されている特権」というのが自分たちのシステムでもあり、このエクスペリエンスデザイン部でもあるという声が出ていました。どういう結果を出せているか見えにくいから、時に不安になるという声もありました。同時に横河電機という大きな会社からは「面白いことをやってくれるのではないか」という期待もあると。ジレンマでもありつつ、皆さんが自分たちの特徴を認識したことをすごく覚えています。

――4回のコーチングが終わって、改めて気づいたこと、感じたことは何ですか?

髙野さん:ミーティングに2人の新しいメンバーが入りましたが、私たち3人は新しく入ったメンバーに対して、ミーティングの場では「言っても良いんだよ」とウェルカムな雰囲気をできるだけ作ろうと動いています。そういう雰囲気が組織全体に広がっていくと良いなと思いました。4回目のコーチングが終わって、イメージはすごく固まったなと思います。

コーチとブースターチームの皆さん
左上:コーチ村松圭子 右上:髙野直人さん 左下:古谷利器さん 右下:伊原木正裕さん

古谷さん:改めて、関係性はすごく難しいなと感じました。その一方で、自分自身の感情について言っても良いんだというところで一皮剥ける、一つエッジを越えられたというところは、すごく貴重な体験だったので、これからいろいろな場面で生かしていければなと思いました。

伊原木さん:3人の関係でいうと、遠慮があったことが明らかになったので、遠慮がなくなったと思っています。「チーム」という概念になったというのは大きな変化ですね。ただ、メンバーとの間には、まだ皆で対話をしていないので隔たりはあるなと思っています。

顧客体験というものを向上して、より良い体験を届けたい

――コーチとしてこのシステムコーチングを伴走してみて、どのような変容が見えたのですか?

村松:まだ、若干の緊張感はあるかもしれないですけれど、この3人としては「相談していいんだ」とか「途中で声をかけてもいいんだ」とか「ちょっとぼやいてもいいんだ」という関係性ができたのかなと思っています。

ここから自分たちの関係性が見えるようになったからこそ、いろんなことがより解像度高く見えてきて、次なる課題が出てくるのではないかと。元々は、部署全体にインパクトをもっと出していくために、この3人を整えるというところから始まったシステムコーチングだったので、そんなところが課題だと思います。

髙野さん:われわれはこれからエクスペリエンスデザイン、顧客体験というものを向上して、より良い体験を届けたいと思っています。その活動が本当に世のため、人のためになるというところを信じていきたいし、そうした気持ちや目標を共有していきたいと、今回のシステムコーチングを通じて改めて思いました。

【編集後記】
会社の中や自部門には優秀な人が揃っているのに“もったいない”という気持ちから始まった組織内でのシステムコーチング。ひとりの人が一歩踏み出すことで「変革」は始まるのだと思いながらお話を伺いました。関係性の質が変わることで、「人と組織の未来」は変わっていく――ブースターチームの皆さんには、この素晴らしい取り組みをここから広げていっていただきたいと思います。
(ORSCCのライター:大八木智子)


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