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ORSCafe 20.06.26

リモートワークからのチーム作りVol.2

〜CRR Global Japanの組織運営体験談〜
「チェックイン」②

相手の今いる場所を知るということの意味

(前回の続きです)

たとえば、同じチームにコミットした仕事について期日が来ても何もレスポンスがないメンバーがいたとします。前回のミーティングのチェックインで家族のことで悩んでいる話を聞いていたとしましょう。もし、状況を何も聞いていなかったとしたら、単に期日を守ってくれないと相手をすぐに批判するかもしれません。でも、もし話を聞いていたら、家族との間で何かあったのかもしれないとまずは相手に思いを馳せ、そこからコミュニケーションをとり始めることができます。そして、もし難しい局面にいるのであれば、サポートをしあうことにもつながっていきます。

「家族@ORSC イベントチーム」より
プロジェクト単位で自主的なミーティングを日常的に行なっていますが、この中でも「チェックイン」は必ず行われています

これは私自身が母の介護をしていた時の体験です。一時期このチェックインで、私は母のことばかり話していたことを覚えています。1人暮らしが難しくなってきていて、今後どうサポートすべきか悩んでいました。こんな話題をミーティングの冒頭で伝えてしまうと場が重たくなるし、みんなにも心配をかけてしまうと思いましたが、この時は私の頭の中にはいつも母のことがありましたし、刻々と変わる母の状況も知っておいて欲しいという思いから意識的に伝えていたことを覚えています。

その結果、話したことで母の状況そのものが変わるわけではありませんでしたが、少し気持ちを吐き出せて、その後のミーティングにも集中しやすかったですし、私なりに介護と仕事のバランスをなんとか取りながら過ごすことができたように思います。また、物理的にも気持ち的にもしんどい時には、仲間が私の代わりに仕事を引き受けてくれたり、母のことで急に大事なミーティングに参加できなくなった時も、みんなから「お母さんのところに行ってあげて」と自然に背中を押してもらえたことが何よりも嬉しかったという経験があります。

これがもし、日々の中で何も伝えていなかった場合、どうでしょうか。おそらく、相談するにもしにくくなってしまい、仲間との心理的な距離が生まれていたかもしれませんし、1人で抱えてどこかで潰れてしまうか、仕事にも穴を開けてしまっていたかもしれません。もし、そうだったらと思うと、今更ながら背筋が寒くなります。

逆に、嬉しいことや新しいチャレンジなどが話された場合には、どうでしょうか。ご想像の通り、メンバー全員でお祝いムードになったり、刺激を受けて自分も頑張ろうと思ったり、チームの肯定性が高まることにつながります。

チームの信頼関係のベースを育む

ミーティングは、限られた時間でもあるので、ついつい仕事を前に進めることに意識が向きやすいのが人の心理として自然かと思いますが、そこは敢えて「チェックイン」をミーティングの仕組みに組み入れることで、結果的に長い時間軸でみた時には、とてもサポーティブでフレキシビリティのあるチームになっているように思います。これはちょっとした仕組みですが、お互いの人生を尊重しあうことにもつながり、信頼関係構築のベースにもなっていると感じています。

この「チェックイン」の仕組みは気軽に始めることができると思いますので、よかったらぜひ試してみてください。ちなみに、チェックインの「問い」はそれぞれの組織に合わせて変えていただくと良いかと思います。いきなり人生全体から共有するのはハードルが高いと思われれば、以下のような問いでも良いと思います。

「今の気持ちを色で表すと何色ですか?そのココロは?」
「今の気持ちをお天気で表す何ですか?そのココロは?」

短いながらもその人の今の状態が分かりあえるのでお勧めです。これだけでも、お互いの今いる場所を知り、もし必要であればサポートしあうことができるのです。できるだけお互いに心の良い状態で参加できたら、ミーティングの質も高まりますし、チームがチームとしてより機能し始めることでしょう。

「どんな問いでどんな話が語られたのか」ぜひ試されたチームがありましたら、こちらまで感想をお知らせいただけると嬉しいです。

※CRR Global Japan について
https://crrglobaljapan.com/

  • 島崎 湖

    • 島崎 湖
    • CRR Global Japan合同会社トレーナー
    • ORSCC, PCC, CPCC

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    1990年女子栄養短期大学部卒業。玩具メーカーの株式会社タカラ(現:株式会社タカラトミー)に入社。採用・研修を中心とした人事業務全般及び人事制度改革に従事。2002年家族の転勤都合で退職。その後、コーチ養成機関であるCTIジャパンにて勤務。その間、CPCCを取得及び米国にてリーダーシッププログラムを修了。
    2004年より「人は必ず持って生まれた使命=その人本来のリーダーシップがある」ことを信じ、プロコーチとして独立。エグゼクティブからビジネスマン、主婦の方、オリンピック選手など様々な方に向けてコーチングを実施。
    2010年、ORSCCを取得し、組織の関係性にフォーカスをあてたコーチングを企業やNPO、地域のコミュニティ等に対して本格的に開始。個人・組織・社会をつなぎ、生命体としての「システム」の目線を育てることからの組織/コミュニティ開発を展開中。東日本大震災以降、新しい時代への橋渡し役を意識し、「システムコーチ」という役割にこだわりながら東北支援も継続中。
    2006年PCC取得。アイ・エス・エル(ISL) コーチングファカルティ

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