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私は帰国子女であり、結婚してからも夫の転勤により海外で生活することが長年続いていました。いろんな国の文化に触れながら、やはりその土地では「日本人の私」として見られることが何かと多かったですし、私も同様に他国の人を「○○人のあの人」と無意識に見ていることがありました。多様な文化に触れ、混ざっていく中で、私は世界の中での日本を意識するようになり、今では「日本人のリーダーシップに火を付けること」が私のワールドワークとなっています。

そんな中、昨年はコロナによって特に混沌とした世の中になりました。
これまでよりも如実に不確実性が高い時代へ突入したことは明らかです。

私は「日本人として世界で貢献できることは一体何なんだろう…」「日本人らしさを活かしたリーダーシップとは何だろう…」そんな大きな問いを持って1年間過ごしました。

そして、見えてきたことは大きく二つ。
一つは日本人らしいリーダーシップとして対立の間に立つという形があるということ。
二つ目に、ORSCが日本人のリーダーの強い味方になるということです。

きっかけは、CRR Globalのファカルティ内で行われた黒人差別に関しての対話会でした。
コロナ禍でありながらも世界中で議論となった”Black Lives Matter”のムーブメントをきっかけに、”Systematic Racism”というテーマで対話会が開かれたのです。
私は生憎時差の問題で参加できなかったのですが、その録音を聞いてハッとさせられました。

黒人であろうがなかろうか、それぞれのこれまでの人生における差別を受けた経験について語るその時間はいうまでもなく、とても繊細で感情的な時間でした。自分がそこにいたら何を話していただろう、聞くことが精一杯で何も話せないだろうということだけはその録音を聴きながら思っていたし、それがずっと心残りでした。

オブザーバーとしての日本人

そう、その場にいるけど聞くことしかできない。あの場にいたら私はオブザーバー的役割になるだろうと。実はこれって海外とのミーティングがある時によくとってしまう私の、いや日本人のパターンではないでしょうか。

もちろん、ファシリテーターだったり何かを決まった役割があればそうした役割を全うするのだと思いますが、何も前提がない場では、強いポジションを取るというよりもオブザーバーになりがちです。

私はこれまでそんな自分を責めていました。
また何もパフォーマンスを発揮してない。意思がない。
Show up(=表に出ていない)していない自分は役に立っていないのではと。

しかし、考えていくうちに気づいたのです。

このオブザーバーというのは実はシステムにとって必要な役割だと。

極を取ることだけがリーダーシップなのではなく、
極の間に立つリーダーシップも存在する。

それはただの傍観者なのではなく、その場を目撃し、間に立ち続け、ディープ・デモクラシー(声なき小さな声)にも耳を傾ける。
黙っているように見えたとしても、誰よりもその場の平和、つまりRight Relationship™️(正しい関係)を願っている。

それが一つの「日本人らしい」リーダーシップになるのです。

そしてその間に立つ者にとって最高の味方になってくれるのが、ORSCの智慧であり、その全てのベースとなっていのが「RSI®」という考え方になります。

大切なのはRSI®

RSIの話をする前に、EQ、SIにも触れておきましょう。

EQ(Emotional Intelligence)とは感情的知性です。自分の感情を認識し、適切に表現する力を表します。

SI(Social Intelligence)社会的知性とは正確に他人の感情を認識し、それに感情移入し、ほかの人の視点から物事をみることができる力のことです。

そしてRSI(Relationship System Intelligence)関係性システムの知性®とはEQとSIを組み込みつつ、より大きな枠組みに焦点を広げ、自分自身を関係性システムの一部と見る力のことです。

全て重要ですが、ORSCではそのRSIを取り扱います。システムコーチングのセッションではORSCのツールを通してチームのRSIを教育し、チームのRSIへ問いかけていきます。

RSIの要素を言い換えると大きく二つの両輪で成り立っています。

一つは空気を読むこと。場に何が起きているのかを察知すること。これは日本人が得意なことですよね。
もう一つは起きていることに気づき、自覚的に意図を持って動くこと。空気を読んで終わるのではなく、そこから場に必要なことを意図を持って動くこと。

ここが私たち日本人にとって課題になり得る可能性があります。時には誰もが踏み込めないところにあえて踏み込むのは勇気が必要で、放っておくとただ空気に流されて終わってしまうからです。

いかに自覚的にRSIを握り続けてその場をホールドするか。
どちらかの都合に良いように利用されたり、場の渦に巻き込まれたりせずに、間に立つリーダーとしてそこにいるにはこのRSIが鍵となると思っています。

では、先が見えないこの世界で、「間に立つリーダーシップ」はどのように役立つのでしょう。この質問に答える前に、なかったらどうなるのかを考えてみましょう。

極を立てて場を引っ張っていくリーダーシップだけでは、それぞれが「自分の正しさ」から抜けられず、自分と異なる者に対して繋がりが持てず、今以上に分断が増えるでしょう。

今までと同じようにでは通用しない不確実性が高い時代はいつも何が正解かがわかりません。わからないからこそ、色んな声に耳を傾ける事で物事の全体性を持つことが重要になります。全体性を持つことで、今までとは違った視座で考えることができ、新たな選択肢を生み出す機会にもつながります。その機会を創出する全体性とクリエイティビティこそが「間に立つリーダーシップ」がもたらしてくれることなのです。

ゴーストとタイムスピリット

もうひとつ「間に立つリーダーシップ」だからこそ触れておきたいのがゴーストとタイムスピリット。

場に起きていることは言うまでもなく、見えていることだけで成り立っているのではありません。その場に影響しているたくさんの昔からの考え方や国の文化や価値観、あるいは歴史などがあります。

ORSCではその中で、目に見えないけれど場に影響を与えている存在をゴーストやタイムスピリットと呼んでいます。

例えば、組織の場合はもう退任した創業者や、昔行われたリストラなども考えられます。世間体というのも場に大きく影響するでしょう。今まさに世界中で影響を受けている「コロナ」もゴーストになります。あるいはその国の人が歴史で経験したことやそれに伴う偏見や考え方というのも場に影響します。

このように目に見えないけれど、関係性に影響を与えているものへ自覚的になる。
時には思い込みかもしれないが、あえてそれを言葉にする。
なかったことにするのではなく、あることを認めた上で自分たちがどうありたいかを対話する。
ゴースト・タイムスピリットも含めてRSIを持って間に立ち続ける。

それが私たち日本人らしいリーダーシップの一つの形です。

これはまるで神社の御神木のようだねと同僚と話してました。
いろんな人たちの願いを何百年も聞いていて、聳え立っているだけでどれだけパワフルか。

これは決して日本人を当てはめるために書いているのではなく、
自分自身がそうありたいということと
日本人のさらなる可能性を願って言葉にしています。

さて、「間に立つリーダーシップ」はあなたにどのように響きましたか?

人生のどんな場面に活かしてみたいですか?

ぜひ、考えてみてください。

  • 村松圭子

    • 村松 圭子
    • CRR Global Japan合同会社トレーナー
    • ORSCC, PCC, CPCC

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    慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、株式会社リンクアンドモチベーションにて企業の新卒採用プロセスにおけるコンサルタントとして従事。結婚後、家族の転勤により、香港とロンドンで7年間過ごしている間にコーチング資格を取得し、個人事業主として海外にて活動。 海外における自身のリーダーシップを考えていく中で、日本人の世界におけるプレゼンスを高めたいという想いを持ち始める。 2017年に帰国してからシステムコーチとしての学びも深め、2018年よりCRR Global Japan(当時株式会社ウエイクアップ)へジョインする。 リーダーシップを主軸とし、国際的な企業やNPOのエグゼクティブやリーダーチーム、そしてスポーツチームに対するシステムコーチングを行っている。また、2019年にはラクロス女子U19日本代表のゼネラルマネージャーとしてORSCを用いながらチームをW杯へ導く。 2019年株式会社THRIVEを設立。プロコーチとしては9年目の現在、述べ2000時間以上のコーチングを経験している。

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